SASとは、寝ているときに何度も無呼吸や低呼吸を繰り返し、熟睡できずに昼間の眠気や、起床時の頭痛などをはじめ、さまざまな合併症を引き起こす病気です。
睡眠中に大きなイビキをかく、夜中に何度も目が覚める、日中傾眠や居眠り運転をよく起こしそうになるなどの症状があり、日本人の2~3%の潜在患者がいると推定されています。
重大な交通事故や、産業事故にもつながりかねない怖い病気です。
●高血圧 ●多血症 ●不整脈 ●虚血性心疾患 ●心不全 ●脳血管障害
●糖尿病 ●肺高血圧症 ●インポテンツ などが代表的なものとして上げられます。
日中の過度の眠気や夜間の頻尿、睡眠中に大きなイビキを指摘される患者様に、 ご自宅でも取り扱いが可能な検査機器を使い、普段と同じように寝ていただき検査をすることができます。
鼻口気流、気管音(いびき)、SpO2(酸素飽和度)を記録し、睡眠時無呼吸の検査を行います。
状 況 | 決して眠くならない | 時に眠くなる | しばしば眠くなる | 眠くなることが多い |
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1.座って読書をしてる時 | 0 | 1 | 2 | 3 |
2.テレビを見てる時 | 0 | 1 | 2 | 3 |
3.公の場で座ってなにもしない時(観劇や会議など) | 0 | 1 | 2 | 3 |
4.1時間続けて車に乗せてもらっている時 | 0 | 1 | 2 | 3 |
5.状況が許す場合で、午後に横になって休憩する時 | 0 | 1 | 2 | 3 |
6.座って誰かと話をしている時 | 0 | 1 | 2 | 3 |
7.アルコールを飲まずに昼食をとった後、静かに座っている時 | 0 | 1 | 2 | 3 |
8.車を運転中、渋滞や信号待ちで2~3分止まっている時 | 0 | 1 | 2 | 3 |
合 計 |
5点未満 | 日中の眠気少ない |
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5~10点 | 日中の軽度の眠気あり |
11点以上 | 日中の強い眠気あり |
CPAP療法は、SASの療養者に寝るときに鼻にマスクを装着し、塞がった気道に空気を送り込んで、気道を押し広げて喉の塞がりを防ぐことによって、睡眠時の無呼吸を予防する治療法です。
CPAP療法は、SASの療養者に最も多く行われている治療法です。
個人差はありますが、イビキの改善、昼間の眠気が軽くなる、夜間のトイレの減少、血圧を下げるといった効果の報告もあります。
※しかし、CPAP療法は対症療法であり、SASの根本的な治療法ではありません。
CPAPの使用をやめてしまうと、SASの症状が起こってしまいますので、継続することが重要な治療法です。
CPAP療法を継続するにあたり、どうしてもCPAP療法に慣れない、CPAPをつけて眠るのが面倒くさい・・・など、継続が困難な場合があるかもしれません。
そんなときは、ご家族の皆さんもCPAP療法について理解していただき、療養者のCPAP療法継続に協力することも大切なことです。